2015年 05月 31日
日米安保は軍事同盟か? |
集団的自衛権についての論議がおかしい。 本来、自明のことであります。 改めて議論するまでもなく日本のために戦っている同盟国を支援するのは当然のことで、国連憲章にも、また、日米安保条約にも記されています。
日米安保条約の及ぶ範囲は、日本の施政権下の領域に限定されています。 周辺事態法によって施政権下の領域を超えての活動ができるとしましたが、これは国内法です。
日米安保は、次の2つからなっています。
第6条 アメリカは日本国内で自由に基地を使用できること。
第5条 各締結国は、日本の施政の下の領域における、いずれか一方に対する攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従って共通の危険に対処するように行動する。
日本の領域外での紛争は日米安保の規定外であります。日本の領域において米軍が紛争に巻き込まれた時、日本は、上記第5条に従って日本の安全を危うくするものであれば行動することになります。集団的自衛権を新たに検討する必要はありません。
国連の平和維持軍(PKO) の場合にどう対処するかですが、日本国憲法に従い、PKOへの参加を拒絶しなければいけません。いかなる紛争にも日本は介入しないことです。
しかし、アメリカの指導もあって、日本はPKOに自衛隊を派遣するようになりました。派遣するということはそのPKOに参加している他国と共同して行動するのは当然です。改めて集団的自衛権を議論するまでもないことです。PKOに参加している他国の軍隊が攻撃を受けたとき、それに共同して対処すべきは当然のことであります。 しかし、それは、日本国憲法に違反しているでしょう。
議論すべきは、PKOへの参加は憲法違反ではないのか、 PKOに参加するのであれば憲法を変える必要があるのではないのか、日本は、9条を戦略的に活用して、紛争への介入を一切拒否すべきではないのか、ではないでしょうか。
日米安保の目的は、米軍が日本国内に自由に基地を使用できるようにすることにあります。 対等の軍事同盟ではありません。 アメリカが日本の領域外のどこかで紛争に巻き込まれても日本がそれに参加する必要はありません。
by hazansho
| 2015-05-31 10:40
| 安保